ただ、前にも書いた通り、今回のことで調べようとしたら、猫の急性膵炎の体験談があまりなく、こんなに重症でも復活できたということを、同じ病気にかかった飼い主さんにお知らせしたくて書くことにしました。
がっちゃんの症状は急にやってきました。
8月29日の夜は、いつものようにご飯を食べて、でも盛大に吐いてしまいました。
がっちゃんは必要以上に毛づくろいをして、良く毛玉を吐いて、毛玉がうまく吐けないときは、食べたばかりのご飯を吐いてしまったりするので、あまり気にしませんでした。
8月30日の朝、ご飯の用意をしてもがっちゃんだけやってこないで、床に寝ています。声をかけたりすると、起き上がって場所を変えたりはするのですが、おしっこ臭くて、どうもお漏らしをしてしまったようです。
朝ご飯を食べないときは、朝早くにお父さんからご飯をもらっているときが多いので、問い合わせたら、食べていないどころか、大量に水を吐いたということで、これは、病院かな、と思い始めました。
9時になって病院が開いたころに電話をかけたら、すぐに来てくださいということで、がっちゃんをキャリーに押し込んで出発しました。
症状をお話して、すぐに検査をしていただきました。
超音波の結果、胃に大量の水がたまっていて、十二指腸も腫れていて、でも腸は動いていない、それから、どの臓器かわからないけれど、2センチほどの嚢胞がある、ということで、
これ以上の診断をするには、CTを取るのが一番というお話でした。CTとなると、麻酔をかけないといけません。この病状で、高齢ですし、怖いところですが、このままでは、ただ弱っていくだけの感じです。
目黒の画像診断専門のクリニックでは、麻酔をしないでCTを撮ってくれるかもしれないということで、すぐに午後1時の予約を取っていただき、とりあえず皮下点滴で水分を補充して、車で目黒に向かいました。
クリニックは目黒通りに面していて、大きな駐車場がなく、やっと見つけた駐車場からは5分くらい歩いたでしょうか、この日はとても暑かったですし、心配と重さと暑さでめまいがしそうでした。
まず、超音波を撮っていただきました。
その結果、診断名は「急性膵炎」。膵臓がとても腫れていて、嚢胞も膵臓の中にあるものだとわかりました。「とても重症の膵炎です。」と言われましたが、頭がよく回っていません。もうCTを取る必要もないので、すぐに取って返しました。車の中では、声をかけてもちょっと動いて生存確認ができる程度、という状態でした。
3時過ぎに戻った病院では、クリニックから連絡を受けていたので、すぐに膵炎の治療が始まりました。
膵炎には特効薬がなく、とにかく点滴で補液をします。
血液検査の結果、白血球がとても低く、炎症に対して上がった白血球が下がってしまった状態で、敗血症になる恐れがあるということでした。
本当はこの状態でステロイドは使いたくないのですが、猫の膵炎にはステロイドが効くということが分かっているので、ステロイドを使うことになりました。
「重症」というのが、いつ急変してケータイに連絡があるかわからない、夜だと、対応が遅れて駆けつけても間に合わないこともあるかもしれない、という状態だということがやっと理解できました。
面会したがっちゃんは、ただ横たわっているだけで、声をかけると、目をあけるのがやっとでした。
やはり心配で、外来が終わる夜の7時にもう一度面会に行きました。
少し元気になって、横たわってはいましたが、目に力が戻ってきていました。
ただ、おしっこはその場にしてしまい、その尿が黄疸を示す状態だということで、また心配が増えてしまいました。
その日は、とにかく先生によくお願いをして、ケータイを握りしめて寝ました。(つづく)